2014年8月16日土曜日

古道探訪

初めて古道探索をしてみた。自分にとっての面白みは、河川、階段、坂、暗渠の次ぐらいかな。河川は基本自然そのもの、水の流は見ていても気持ちが良い。階段は河川が作った斜面を人が通り易くするための工夫、階段の作りには人の思いがしっかり入っている。坂は目的地への道として必然的に存在しているし、暗渠は川があるのに誰かが意図して蓋をしたところピーリングしたくなる。古道は昔から人々が行き来した道だけど、しっかりピーリングしてあげないと本質が見えてこない(つまり、そのままだと単なる道にしか見えない)。東京という所は自然の営みと人の営みが繰り返されて、薄い皮を何枚も重ねた結果、今の姿になっている。一枚一枚めくっていくと原風景が少しずつ見えてくるのだ。暗渠、鉄道は比較的最近(100年程度)の産物、人が作ったものだ。暗渠はその昔(東京オリンピック以前)は川だった。今電車が走っているところは昔(明治初期)は人の少ないところだった(昔鉄道は嫌われものだったので人里離れた所を走っていた、中央線は定規で引いたように真直ぐ、実際定規で引いたらしいけど、今はどの駅前も賑わっている)。

今日は、今でこそ中央線の駅として賑わう阿佐ヶ谷を南北に貫く中杉通りに沿うように存在する古道、鎌倉街道を鷺ノ宮から大宮八幡宮のある和田堀まで自転車で走ってみた。古道沿いには神社、お寺、お地蔵さんや道祖神がたくさんある。特に道祖神は昔の村の境にあるらしい。今日通った古道では、北から妙正寺川、桃園川(暗渠)、善福寺川と3つの川を横切る、都心のような急な崖はないのでいずれも比較的なだらかな坂となっている。
スタートの鷺ノ宮駅前、妙正寺川にかかる八幡橋
妙正寺川改修の碑

改修記念碑横のお地蔵さん、道案内、など

鷺宮八幡神社の説明

鷺宮八幡神社

辻の祠
阿佐ヶ谷の駅付近にはケヤキ屋敷がある。ぐるっと一回りしてみた。大きなケヤキが沢山ある、ここは昔からの大地主の相沢家の邸宅だそうだ。今もこのように残っているのが大変貴重だ。駅の南側はパールセンター、すずらん商店街とアーケードが続く、パールセンターの途中にもお地蔵さんと庚申塚があり、ここが古道であることを物語っている。
ケヤキ屋敷のご神木

ケヤキ屋敷(相沢家)

パールセンター内のお地蔵さんと庚申塚
この古道が青梅街道と交差したところが田端交番のある信号だ、この先の道を間違えた。本当はこの路地を入ってすぐに左に曲がらなくてはいけないのに、広い道のまま真直ぐ進んでしまった。目標の「関口の地蔵」が見つからない。(間違っている時って、この道が正しいと信じていてなかなか戻れないものだ)あきらめて善福寺川方面に緩い坂を降りると、今度は暗渠ぽい道が出て来てそれをトレースしてしまった。トレースしていると小さな公園が、そこで一休み(トイレ休憩)。公園から出て進むと公園の裏の建物は杉並税務署でその先にひろがる広大な空き地、阿佐ヶ谷住宅跡地だ。かなり西の方まで来てしまっていたのだ。来た道を戻ってしばらく行くと五日市街道にぶつかった、それも善福寺川の脇。ただ、この間違えた結果よいこともある。思いがけず「白幡の坂」に来ていたのだ。ここには民間信仰石塔とかかれた看板がありその高台に庚申塔が祀られている。道を間違えたことでこの石塔に会うことができたのだ。
青梅街道、田端交番

杉並税務署裏の公園

阿佐ヶ谷住宅跡地

白幡の坂下の庚申塔解説

庚申塔

庚申塔と白幡の坂
そこから五日市街道を通って青梅街道へ。もう一度田端交番を入ってすぐに左に曲がった。梅里中央公園があった、きょろきょろしていると公園の角の住宅の角にお地蔵さんがあった。関口の地蔵、これが古道だ。
梅里中央公園

関口のお地蔵さん
さらに進むと五日市街道にぶつかる、鰻屋がある。さっき通った時にここかな?と思ったところだが、急がば回れで田端交番まで戻ったのは正解だった。その先を道沿いに進む、幸栄電気のところから暗渠道が始まるが幸栄電気はわからず(後でわかるのだが)、雰囲気ですぐに暗渠だとわかりトレース開始、和田堀公園へ素直に流れ込んでいた。おそらくだが、梅里中央公園あたりが水源だと思われる。和田堀公園には武蔵野園という釣り堀がある、食堂もあってソース焼きそばの好いにおいがしたが今日は我慢。

五日市街道と古道の交差点

暗渠道入り口

暗渠道特有の巨大マンホール

綺麗な暗渠道

測量マンホール


つり堀武蔵野園

善福寺川
大宮(和田堀公園)からの帰りは、また古道を逆に進み、松ノ木遺跡の横を通り、小さな稲荷、庚申塔を通ってさっきは気づかなかった幸栄電気前へ、そこからは古道を離れ堀之内の妙法寺をへ向かった。
松の木遺跡の解説

自分撮り?

小さな祠

庚申塔

幸栄電気(こんなの気づかない?)
噂には聞いていたが、妙法寺は大きなお寺で鍋屋横丁から妙法寺参道(これも古道)が続いている。妙法寺からその北にある真盛寺の前に行ってわかった。中野富士見町で神田川に合流する小沢川(暗渠)の水源はこのお寺の中の池からだ。ちょうど環七を挟んで参道の先には小沢川の暗渠道が続いている。小沢川はここからの水と蚕糸の森公園からの水とさらに蛇窪からの流れを合わせて神田川に流れていたのだろう(これもピーリング)。高円寺は寺前通りを鷹っ鶴方面へ進みルック商店街を北に、この交差点にフヂヤ薬局の三角屋根の古い洋風の建物がある。ここから桃園川(暗渠)への商店街は続く、桃園川から駅への上りは今風のパル商店街、高円寺の駅を越えると純情通り商店街へと続く。賑やかな今の高円寺も中央線が通るまではなかったのだ、この辺りは将軍の狩り場だったそうだ。

妙法寺

真盛寺
環七を挟んで小沢川暗渠

真盛寺解説

本来はお寺の中にある池からの流水の復刻

ルック商店街のツヂヤ薬局

桃園川暗渠

パル商店街

純情通り商店街
今日は良い天気でとても暑かった。早稲田通りを真直ぐ高田馬場まで、途中「純連」で醤油ラーメン、これまた熱い!が塩分補給になった。風が強く自転車では一苦労。500mlペットボトル3本消費。

この日の行程路、約40Km

古道は尾根筋道

純連の醤油ラーメン(熱い!!!)

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